じぞうさまのなみだ1
じぞうさまのなみだ
越智 敦子
村のはずれのこんもりした山のふもとに
六地蔵は立っていました。
いつものように日が暮れて 向かいの山のお堂の鐘がゴーンゴーンとさびしげにひびきわたると もう夜のはじまりです。
そろそろこっくりこっくりといねむりを始めるおじぞうさまもありまして、まだおきているおじぞうさまたちもおしゃべりをやめて しずかな時間がながれておりました。
そこへぼんやりと小さな人影が近づいてきます。うっかり気を抜いていたおじぞうさまたちも いっきにしゃきっと姿勢を正し、いつものおだやかなさとりのお顔になるのでした。

