越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

月火あっちゃん5

かなしいかってきかれれば、それもひとつかもしれない。

ひっこしてきてから前のおともだちとあそべなくなったこと。お父さんとお母さんが夜ときどき大きな声でけんかしてること。お父さんも新しい仕事でたいへんそうだし、お母さんは、前は「じむ」のお仕事だったけど、今度はスーパーのお魚売り場で、調理師さんがさばいた魚をパックにつめたり、お惣菜に加工したりしてるって。水をかぶるからいつもはだしでサンダルはいてる。前の園のときのお迎えより遅い時間になって、たいていあつこがいちばんさいご。前は帰ってから、ときどきお母さんを手伝っていっしょにだいすきなハンバーグを作ったのに、越してからは一度も。いろいろ「かなしいこと」はあるけれど、そろそろ泣くのをおしまいにしなくっちゃ、ほんとに息がつまりそうだったので、あつこはコクッとうなずきました。

ページトップへ