月火あっちゃん3
本当は「ごめんね、あつこ」といいたかったけれど、「ごめんね」を「わかった?」ってつよいことばにかえなければ今度はおかあさんがくずれてすわりこんでしまいそうだったのです。
あつこは「わかってる」と心の中でつぶやきましたが、涙の方が先にふきだしました。お母さんはそれをふりきるように出口を走って行ってしまいました。
いったんふきだしたらとまらない。つぎからつぎへと涙、涙、涙。
涙はいわば水であって、火なんかつくはずもないのに、どうして「火がついたように泣く」ということばがあるのでしょう。ともかく、本当にあつこの心に火がついちゃった。涙は洪水のようにあふれて、「息をすって、息をはいて」というあたりまえのことがとってもむずかしくなってきたのです。
息をすってすって、ワァーン。もひとつすってワァーン。どこで息をはいていいのかわからなくってワァーン。息がくるしくって、ウウウウ、ワァーン。

