越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

ケンチ4

おばあちゃんも出かけ、夕暮れがせまってきた。
そろそろ迎えに来てくれる頃だろうか。
今朝届いた段ボール二個分の荷物を丸いちゃぶ台にひろげながら、りゅうすけの声がかかるのをけんたは待っていた。

 

 

その頃、祭りが始まるのを待ちきれなくて、寺の境内で遊んでいたはずのりゅうすけの兄のじゅんいち達が、息をきらして、うちにいて6時になるのを待っていたりゅうすけのところに戻ってきた。
「りゅう、たいへんだ。今年は先着順でかけっこのスタート場所を決めていくんだって。なんたっておまえ足が速いんだから、今年の景品もたのんだぞ。とにかく早く行って並んでおけー!」
今までずっとくじだったのにーと思いながら、りゅうすけはもう片足を運動靴に入れていた。
ケンチ

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