越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

アノコロ5

町まで探しにいってくれていたイビナスのお兄さんがあおざめた表情でかけもどってきました。
「ア・ノ・コ・ロっていうのを探していたっていうんだよ。お母さんにプレゼントして元気になってもらいたいっていってたそうだよ。見つけられなくて さらに山の方に歩いて行ったって」
「アノコロですって?」
お母さんははじめ何のことだかわかりませんでしたが、あっ! と気がつきました。
お母さんはいつも思い出していたのです。お父さんとリッコラとの楽しい思い出を。あの日までの。

 

リッコラが生まれてお父さんは大喜び。
毎日が幸せ色で満たされていました。そんなときに山火事が起こり、消防団のおとうさんは消火作業中になくなってしまったのです。

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