越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

みよ子の赤いチューリップ3

大通りを二つ曲がっただけで、もうぜんぜん知らない場所にきてしまって、みよ子は不安でいっぱい。もう限界!と泣く準備に大きく息を吸ったときにお母さんの工場が見えました。
お母さんは、みよ子が「結婚する」ということではなくて、さちこと一緒とはいえ、工場まで歩いてきたことにびっくり。工場の人にぺこぺことあやまって、少しだけ工場を見学させてくれました。
白い作業着に大きな頬かむりをして丸くて四角い帽子をかぶったお母さんも、安子お姉さんみたいに真っ白でいつもよりひとまわり大きく見えました。
広い工場の天井にはふつうの百倍も大きな糸巻きが取り付けられていて、そこから真っ白い糸が何本も何本もくりだされて、まるで生きているようです。がったんこがったんこと機を織る音もひびきます。
 

ページトップへ