越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

みよ子の赤いチューリップ2

きょうは四月一日。お昼のサイレンが鳴った後、裏のミカン畑のさちこお姉さんがやってきました。
「みいちゃん、きょうはね。エイプリルフ
ールっていって、うそをついてもいい日なのよ。何のうそをつく?だれにつく?」
 三つうえのお姉さんに負けたくなくて、みよ子はせいいっぱい考えます。
 「あたしがけっこんするっていうのはどうかしら」
つい先日、一軒先のかまぼこ屋さんの安子お姉さんが、真っ白い綿帽子をかぶって、赤い縁取りのやっぱり真っ白な綿入れの着物で婚礼の挨拶まわりをしていたのが本当にきれいだったのです。
「それはいいわね。みいちゃんのお母さん腰をぬかしてしまうんじゃあないかしら」
というわけで、なぜだかさちこに手を引かれてお母さんの工場をめざすことになったのです。

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