じぞうさまのなみだ8
話を聞き終えた長老はあわてて聞きます。「それでその子はいまどこに?」
「それが、また猫の埋められたところにもどったようで」
こんどは長老のじぞうさまがそこにむかいました。女の子はなきつかれて猫の埋められたところを抱くようにうつぶせになっていました。その小さなかぼそい背中。おじぞうさまはまほうの粉をもってはいましたが、この深い悲しみの前にはそれを使うことははばかられました。
今、じぞうさまのねがいはただひとつ。あたたかい両の手で女の子を抱きしめてやることだけでした。女の子のかぼそい肩に手をおこうと、その場にかがもうとしたとき、それがかなえられないことと知りました。つめたい石のじぞうさまにはとうていかなえられない願いでした。ちっとも動かない石の手を見つめてじぞうさまは絶望に立ち尽くしていました。
そのとき、どうでしょう。じぞうさまの目からきらと光るものがひとつぶこぼれおちてl、女の子の肩にぽとんとおかれたのです。
そのひとつぶは、朝陽をうけて、あたたかい抱擁のような光を放ち、女の子をやさしく包み込んでおりました。
おわり

