越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

じぞうさまのなみだ6

昨日、奉公先から二年ぶりに休みをもらって二年ぶりのなつかしいわがやにかえってきたのです。生け垣をまわりこみ、家まで一歩一歩近づいていくと、まるで二年前までの学校から帰ってくるときのようなこころもちになっていました。
西につき出た台所の出窓から、夕飯をつくっている母さんと目が合って、「おかえり」と声がかかりそうでした。
居間をのぞきこむと、ちゃぶ台がそのままつかわれていて、父さんがすわる場所に父さんがすわっているようでした。
窓のガラスにひたいをくっつけてさらにのぞきこみますと、二年前と同じところと、以前とまったくちがうところがあって、そのひとつひとつが女の子のこころにささりました

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