越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

じぞうさまのなみだ5

次の朝、それぞれに調べて帰ってきたじぞうさまは、また静かに台座に立ち、長老のじぞうさまに報告です。

女の子は村のゆうふくな家で何不自由なく育ちましたが、二年前に流行った疫病で家族みんながなくなってしまい、女の子は隣村に奉公に出ます。子もりと畑仕事と家の手伝いで、学校にもいけなくなりました。この村にいた幸せな時には、おじぞうさまに果物や菓子や花をもってきて供えては、おじぞうさまたちが想像していたようなかみかざりのたぐいの願い事をたくさんしていた女の子でした。
疫病がはやると「家族がかかりませんように」。家族が病にふせってしまうと「一日も早くよくなりますように」と、おじぞうさまの足元で祈りながら一夜をすごしたこともあったのです。

しかし、そのなにひとつかなえられていませんでした。

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