越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

じぞうさまのなみだ4

「かみかざりじゃないのかよ」
「おこづかいじゃないのかよ」
「タマの捜索じゃないのかよ」
 あまりにびっくりしたので、いきなり ためぐち のじぞうさまたちです。

 またひとつ沈黙があって、ひとりが記憶をしぼり出すように言い出しました。
「そういえばまえにもあの子きてたよな」
「そう、今言おうとおもっていたんだ。だいぶ前になるがな」
「なんの願いできたっけなあ。ふつうの女の子の願いだったと思うがな」  

 だれが言い出したでもありませんでしたが、ひとりの長老のおじぞうさまをひとりのこして、じぞうさまたちは女の子のあとを追って、暗い夜道をくだっていきました。

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