越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

さいしょでさいごの6

翌日の日曜日、ぼくは生まれてはじめて、「お母さん」が作ってくれた弁当で、「お母さん」と、「ピクニック」することになったんだ。
前夜、ぼくは、預かってもらってる隣の八百屋さんの家でてるてる坊主をはじめて作った。
お母さんと会うのが、明日でなくて何日後だったら、ぼくはあれやこれやいっぱい考えすぎて、きっとふにゃふにゃになって約束の公園まで行ったんだろうけど、そうではないにしても、やっぱり照れてしまって、会ったときは絶対ニカッて笑って「コンチワ」っていうんだって決めてたけど、それはちょっとむずかしそうだった。かすみちゃんのお母さんのいったとおり、公園の真ん中のつき山の前のベンチに「お母さん」はもうすわっていて、その後ろ姿がすでにやさしかった。

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