さいしょでさいごの5
遠足の道々、担任の女の先生がやたらとお母さんぶって、
「そうた、一緒に歩こう!」
なんて、からだをよせてくる。
どのくらいの笑顔で応えればいいのか、はかりかねてちょっと困ったっけ。なんて、いろいろ思い出されて、ぽーっとしていたら、かすみちゃんのおかあさん、なおも
「会いたい?」
って。さらっと、強烈なパンチ。
「おばさん、知ってるの?ぼくのお母さん」
って聞いてから、自分の口から出たことばに自分でびっくり。「ぼくのお母さん」だって、何それ?
「ほんとはね、そうたのお母さんとわたしね、中学校の友達なのよ」
「ふぇー」
きゃー、でも、ひゃー、でもなく、そんな音がそうたの鼻と口あたりからもれた。
会いたいとか会いたくないとか、そんなこと考えてる時間なんてなかった。だって三日後にはお父さんの弟のやすけさんがぼくを迎えに来るのだから。

