さいしょでさいごの4
クラスで先生を囲んで、家族の話になったとき、先生がぼくを真顔で見て、
「野田のところだって、一緒に住んでこそいないけど、かわいいと思う気持ちは一緒だと思うよ。いや、みんな以上かもな」
とかなんとか。ぼくがすっとんきょうな目をして先生を見返したものだから、先生、
「あ、やっちゃった・・・」
って顔。 あったな、そんなこと。
だけど、はじめからお母さんはいないにひとしい、父さんとの暮らしだったから、いないのがふつうで、とくにいわゆる悲壮感なんてなかったんだ。
だけど、親子遠足の日だけは違った。父さんはゴメン、ゴメン、の連発でいつものように仕事に出かけ、ぼくは父さんが作ってくれたおかずを弁当箱につめて登校する。

