越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

さいしょでさいごの2

やすけさんっていう父さんの弟は、明るい漁師で、釣ったばかりのぴちぴちの魚をよく送ってきてくれたのだけど、そのお返しが今まで何にもできてなかった。そこで、このぼくが、どーんと、とれたての魚百匹ぶんの勢いでお返しにいく感じっていったらどうだろう。
 ・・・・なんていうと威勢がいいが、この元気ももう底をつきそうだ。
魚を食べるのは大好きだけれど、てんで「かなづち」で5メートルも泳げないのに、海の町にひっこして友達できるかなあ。おじさんはときどきぼくの家に来てたけど、ぼくはおじさんのところに行ったことがない。おじさんの奥さんってどんな人かなあ。いったいどんな町で、どんな小学校で、どんな生徒で、どんな先生がいるのかなあ。考えれば考えただけ、果てしなく深い海にもぐっていくようで、ぼくは考えるのをやめて、ぷかりと浮かんだ。

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