越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

さいしょでさいごの13

ぼくはひと息分だけ空気をすいこんで、またしゃーんと背中を伸ばした。

 

何にも言えなかったけど、ぼくとお母さんは通じた心でさよならをいいあった。

 

さいしょでさいごのお母さんとの思い出を作ろうと思っていたけどそうじゃなかった。

 

きっとまた会える。

こんど会うとき、ぼくはどんなぼくになっているのだろう。どんなぼくをお母さんに見せられるのだろう。

 

いつのまにか夕焼けがそうたの頬を明るく照らしていた。

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