ありがとうがききたくて7
ある夕方、きょうも「ありがとう」はいってもらえず「がんばってるね」「えらいね」でおわったなあと、教会の庭のベンチにすわっていると、みしらぬおとこのひとがちかづいてきました。「神さまですか?」とはききませんでしたが、ジップには、なぜだか神さまにしかおもえませんでした。
神さまがやさしくほほえんでジップをみつめていましたので、
「ありがとうをいっぱいいってもらえるようにしてください」
とおねがいしました。
おとこのひとは、
「おまえのその尊い行為が『ありがとう』だけですまされてはかなわないよ。それともなにかい? その尊い行為は『ありがとう』のためだけだっていうのかい?」
そしてまたやさしくほほえんでから
「いってもらえないありがとうが一番尊い」
といって去っていきました。

