越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

ありがとうがききたくて5

それをみていたクスエフおじいさんも、ふりあげていた枝切ばさみの手を下げて、
「よかった、よかった。たすかったよ。ありがとうな」
大声でおこられるとおもっていたジップはひょうしぬけ。
「えへ。てへ。ありがとう、っていわれるの、くすぐったいね」

それからがたいへんです。まいにまいにち、、坂の下でりんごがおちてくるのをまちかまえて、もう一週間。だけどりんごはころがってきません。あのくすぐったいような「ありがとう」をもう一回ききたいだけなのですが。

 

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