あかつき大明神6
ひと月をかけて都に着いた大明神。夢にまで見た都をひと目見ようと、かごのすきまからのぞくのですが、びっくりするような大きな通りはあっても、人っ子ひとりいません。
すでにうわさを聞いた都の人々はしっかりと戸口をしめきり、まるで大台風のやってくる前のようです。たしかにかごの中からも強烈なにおいは立ち上り、中に入れてもらえない犬たちは自分でせっせと掘った穴に鼻をうずめて苦しみにたえています。池の鯉も普段なら何回も池の面に大きな口を出して呼吸しますのに、水中でぐっとがまんしている様子。鳥たちはといえば、ほとんどがそのにおいに失神して道端にばたりとたおれているありさまです。

