越智敦子 絵本と童話集 おはなし100こ

あかつき大明神1

あかつき大明神

              

                      越智 敦子

 ひとざと離れた山あいに、小さな村がありました。たどり着くには、小さな山を二つ越え、大きな山を三つ越えて、やっと見えてくる小さな小さな村でした。三年の日照り続きで、村の畑に一本の作物もありません。
村のたろべえは、はやりやまいで家族を亡くし、一人のこった上の兄さんの大工仕事を手伝ってくらしていました。
カンカン照りの中での大工仕事は大変です。汗がぽとぽとと材木を濡らし、まるで待ちに待った雨が降ってきたかのようでした。
たいしたお給金ももらえずに、それでも仕事終わりには遠くの沢まで水浴びに寄ってから、うちまでもどっておりました。
あんまり日照りが続いたので、その沢も水が涸れ、それでも兄さんたちはその先の沢まで行って水を浴びてから帰っていましたが、
小さなたろべえは疲れ切っていましたので、うちで横になりたくてなりたくて、水浴びをあきらめました。するとそのうち、たろべえの体は、ぼりぼり掻くと、ぼろぼろとあかが落ちるようになりました。おまけに近づくと、ぷわーんと、鼻がむずむずするようなにおいがするようになっておりました。

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